#13 CUBE(吹替)
小さな箱庭で、人々は役割を演じる。
[解説]
隔離空間で繰り広げられる物語には、飽きさせない展開と追随を許さない発想力があります。
小さな箱庭の名前はCUBE。一辺が約4.2mの立方体からなる無機質な箱庭。
箱庭は隣り合わせに幾つもの部屋が連結されており、まるで『ルービック・キューブ』のように時間と共に部屋の位置を変化させます。
箱庭に入り込んだ主人公たちは、その果てに出口があると信じて、CUBE内の無機質な部屋の移動を繰り返す。
それこそがCUBEの最大の"恐ろしさ"であり"魅力"。無数にある部屋には、それぞれ異なる"罠"がしかけられているのです。
[総評]
冒頭に役割を演じると書いたのは、この映画は特筆すべき世界感を演出しているからです。
シルバニアファミリーのように、小さな箱庭の中で、役者たちは自らの"キャラクター"を演じている。
その役割が箱庭の中で世界を廻していく。このキャラクターは集団のまとめ役、このキャラクターは頭脳キャラなど、それぞれに明確な役割がある。
仲違いすることなく最後まで共闘出来れば強いはずだが、一人また一人と欠けて行き、それが彼らを不安と疑心暗鬼に駆り立てる。
そんな小さな世界で巻き起こる人間ドラマが面白い作品です。
唯一無二の世界観だと感じ、ホラー映画の中でも割と上位ランクに好きです。
ただ、2作目以降は監督が変わってしまったこともあり、駄作感が否めない...。
1作だけのオンリーワン作品ですので、どうぞご覧ください。
[以下 駄文]
脱出ゲームの感覚に近いホラー映画として、『ソウ2』がありますが、あちらも好きな作品ですね。
誰が敵で誰が味方なのか、それが分かるまでのドキドキ感や、どうに裏切りを見破るかが肝要な映画だと思ってます。
正直、そこがだれると面白くない。犯人があからさまなミスリードも嫌ですし、あれ、こいつもしかして?と、劇中のキャラクターと同じように視聴者の感情がのめり込むのが理想です。
キャラが鈍感過ぎて腹立つことも多くありますしね笑
その点でいえばCUBEはそこが上手い。ただ、もうちょっと仲良く出来んのかとも思ってしまう人間なので、なんでみんな争い始めるのかと思うのは洋画あるある。
非現実的だからこそ、いいんですけどね。