#19 コンテイジョン(吹替)
仮想現実。けれど、今の貴方にとっては、現実になっているはず。
2011年公開の映画になります。
普段はネタバレを極力さけて所感を記載していますが、今回は敢えてストーリー序盤を。
きっかけは1人の女性の死。死因はR4レベルのウイルスであり、致死率は25〜30%。
※R4とはウイルス感染の増加指数であり、R4であれば1人の患者から4人が感染する計算。インフルエンザは2〜3、新型コロナは平均3.28と言われる。
そう、この映画はウイルス蔓延による世界のパニックを描いたフィクション。
しかし我々は、この体験を2019年に経験している。
新型コロナの致死率は、劇中のウイルスには遠く及びません。感染拡大とワクチンが開発されていなかった2020年同時でさえ、致死率は10%。
しかし感染の広がり方、拡大に伴う恐怖の伝染やデマの跋扈など、映画と切って捨てるには余りにもリアルが成してしまった。
ワクチン開発、現場で働く医療関係者、子供を助けようとする親たち。
主人公の視点に沿って進む映画だが、どうかその他の人たちの視点をも想像して見て欲しい。
彼、彼女らにもストーリーがあり、その中で誰が何を選択し、手に入れるのかを。金、家族、僅かな食糧やワクチンの優先権。
そんな劇中の人の選択すらが、リアルに描かれる。
[総評]
情報を出さないからと糾弾される政府機関。不確かな情報だと口を閉ざす彼らと、僅かな情報すら知らない一般市民との溝が埋まることはない。
そも、『黙る』という選択肢は彼らが情報の取捨選択を出来る立場にあるからだ。市民はその立場になく、むしろ僅かな情報すらを欲している。
しかし不用意な情報が、無用な混乱を招くという政府の考えも理解が及ぶものではある。
故に溝は埋まらない。
正義と感じる行いが、劇中では人種や家族構成などのバックグラウンドで変化する。
ともすれば、余りにも多様化し過ぎて、他人の人生に想像が及ぶことが無くなった現代で、相手の人生を慮ることは不要なのかもしれない。
けれど自分の生活は、誰かの仕事で成り立っている。
ワクチンの開発など、災害が起きた時代に研究へ従事できる年齢とポジションに位置する人間が、偶然で世界を変える。
更に言えばワクチンだけでなく、鉄道・電気などインフラに至るまで、日々を過ごす人が、何を選択するかで世界は動く。
義務・責務と、誰かの努力や思いやりを切って捨てる日常でも構わないと思う。
同時に、自分の生活を動かす人々の働きに思いを馳せることくらいはしても良いのかもしれない。
英雄的行いは勿論に称賛されるべきだが、一般市民として生きる己へと焦点を当てて見るのも面白い。
そんな多面的な見方が出来る映画だった。
[以下 駄文]
ウイルス、致死率ときて思うのは、『Ever17 -the out of infinity-』という名作ゲームのことでしょう。ちなみに2002年発売です。
あれはSFのように時間的概念までも作品に絡んでいた。
『STEINS;GATE』はスマホで出来た為、腰が重かった私でも通勤の合間に出来るなど、小説気分でプレイ出来て、とても助かりました。
そんな感じでノベルゲームのスマホ移植しないかなー。
PCの前にガッツリ腰を据えてるのは、会社の業務時間だけで十分だぁ。